オフィスワークの経験を活かし、より専門性が高く安定した業界への転職を望む社会人に最適なのが、病院やクリニックを支える医療事務の仕事だ。一般企業の事務職はAIの普及や業務縮小によって競争率が高まる傾向にあるが、医療事務は制度の仕組みが複雑であり、人と人との対話が重視されるため、今後も安定した需要が見込める。事務職に就いていた人は、そこに医療の専門知識を掛け合わせることで、一歩抜け出した存在になれる。
この業務において最も専門性が高く、スキルの核心となるのがレセプトと呼ばれる診療報酬明細書の作成である。これは、患者が受けた注射や検査、処方された薬などの医療行為を点数に換算し、国や保険組合に医療費を請求する手続きを指す。医療費の制度は定期的に改正されるため、正確な計算を行うには相応の知識が必要とされる。ただ、この仕組みを一度マスターしてしまえば、どの医療機関でも即戦力として重宝されるようになる。
医療事務の業務は、パソコンに向かう作業だけでなく、カルテの管理や各種書類の整理、診察室への誘導といった細かな雑務も多く含まれる。一見すると地味に思えるかもしれないが、医師や看護師が診察に集中できるように周囲をサポートする重要な役割である。現場の状況を素早く察知し、マルチタスクを効率よくこなしていく立ち回りが求められるため、一般企業で培った段取りの良さや事務処理能力があれば、そのまま活かせるだろう。また、医療機関は全国どこにでもあるため、引っ越しや結婚などで生活環境が変わっても、すぐに仕事を見つけやすい点も嬉しいポイントだ。